停車場日記

× さあ、行くぜ!

2017-10-19 09:15

さあ、行くぜ。
あさってには本番だ。
見せてやろうぜ、
ヤワなラブロマンスやこころ暖まるヒューマニズムじゃない、
ハードなミュージカルを。

おれたちにはもとより思想などない。
ゲージュツだのイデオロギーなど知ったこっちゃない。
ただ単にエラソーなことを言うヤツにツバを吐きかけ、
インテリぶってるクソ野郎のほっぺたを引っぱたくだけだ。

おれたちは庶民だ。
恨みつらみをひっさげた、
ただのつまんねえ一般庶民だ。
彼らの鬱憤を晴らすのがおれらの役割だ。





わたしたち芝居屋は当初河原者とさげすまれた。
河原に住まい、河原で芸事を見せる、
被差別者だった。

なのにいまじゃ歌舞伎の世代を次ぐ後継者を御曹司などと呼び、
シェークスピアを演じる役者をアーチストなどという。

たくもう、ふざけんじゃねえよ。

おれたちはもともと流浪の民だった。
諸国を放浪し、小銭を稼ぎ、
米を分け与えてもらう漂流者だった。
アウトローだったのだ。

そのおれたちが、
無頼の徒を演じるのに、なんのフシギがあろうか。
だってもともとそうだったんだもの。

ゲージュツだのアートだのには、クソ食らえといっておこう。
おれたちのやってることはゲーノウだ。
おれたちゲーノ者の祭りだ。

そこを見届けて欲しい。.





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× 役者列伝/とっくんの巻

2017-10-17 11:41

とっくんほど善良な人を他にはしらない。
穏やかで、もの静かで、
いつも稽古場の隅でニコニコ笑っている。
怒ったところなど見たことないし、
想像もできない。
まさに善(よ)き人、とっくんである。
みんなとっくんが大好きだ。

だが芝居となると、
けっこう悪役が多かったりする。
山賊の用心棒だったり、
ぶっんでる刑事だったり、激しい役が多い。
そして、それぞれに迫力がある。
なぜなんだろうね。





今回は主人公の親友を演じる。
またしても暴力組織の幹部というワルなのだが、
そのなかでも一途で、信念に忠実な、
いわば正統派という役どころだ。
(これを洋画などではホワイトという)。

これがとっくんにはピッタリなのだ。
彼の持ち前の善良さと、
ワルながらある種の信義を持っているというキャラがピタリと当てはまる。

クライマックスのシーンでは、
主人公を圧倒する迫力を見せなければならないのだが、
このあたりもいい具合に仕上がっている。

善良な人間が反社会的な人物像を演じるということは、
ある意味、自己から解放されるということだが、
芝居のなかのとっくんのなんと生き生きしてることか。

いくら善良ななる人、とっくんでも、
実人生では鬱屈もあるだろう。
それを解き放つのが「舞台」である。

そこでは実人生では味わえぬ開放感があるだろう。
それがとっくんの生きるエネルギーとなることなることを願ってやまなない。

だって、わたしだけではなく、
劇団員みんながとっくんのファンだもの。









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× 役者列伝/キノの巻

2017-10-13 04:16

キノは不思議な個性を持っている。
言葉にすれば、
それは「少女性」と「女性性」だ。
あどけなさのなかに宿る色気、
さらにそのなかに隠された悪魔性といっていいだろう。

むろんそれは演出者独自の目線で、
本来の彼女はごくふつうの社会人である。
そのなかに「なにか」を見つけ出すのが演出者の役割であり、
芝居というファンタジーをつくっていくための作業なのだ。

ごめんね、キノ。
迷惑だよねえ。





キノが演じるのは「旅する一族」の末裔だ。
それが「定着」を選ぶことによって、
徐々に性格が変わっていく。
少女からオンナへ、
オンナから悪女へ、
そしてさらに……。

このあたりは実に難しい、
いわば「難役」なのだ。
演技のプロならそこをテクニックで演じるのだが、
キノには持ち前の個性で突破してもらいたいと願っている。

それができれば、
プロフェッショナルな役者ではとても引き出せない魅力がでるはずだ。
もうひと息なんだよなあ。
その壁さえ破ることができれば、
わたしたちアマチュアの者にとって、
「プロなんてくだらねえ」という啖呵がきれるだろうし、
それはわたしたちの目指すところでもあるのだ。

いまのところの台本では、
彼女のセリフによって幕が引かれるのだが、
さてそのアイロニカルで悲哀に満ちたセリフをどう表現するか。

タネを明かせば、
彼女はもうひとりの「東京ジョー」なのだ。

さあ、キノ、どうする?
キノよぉ、わたしの満足するセリフをいってくれないと、
この芝居は終わらないぜ。

なーんて、こういうのパワハラ?
すまん、すまん、そんなつもりはさらさらないから。
だからね、おまえの演じる「ユキ」を一緒につくっていこ。
な。





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× 役者列伝/入道の巻

2017-10-10 03:40

巨漢である。
まあタッパはそうでもないが、
横幅はどでかい。
これで化粧まわしでもつけたら小結くらいには見られよう。

スキンヘッドが似合う。
サングラスをかけて夜の町を歩かせたい。
そのへんのザコのヤンキーはあわてて逃げ出すだろう。
そのくらいの迫力はある。
そこでついたあだ名が〝入道〟。





だが入道の実像は見た目と正反対。
むしろ優しすぎるほど優しいのだ。
虫も殺せない、とはまさしく彼のことだ。

その入道が、
今回の芝居では、
アントニオという名のマフィアの幹部を演じる。
これほどイジワルなキャスティングはあるまい。

だが本人は喜々としてやっている。
そこが芝居の醍醐味なのだろう。
本人の性格と真反対のキャラを演じる快感。

おそらく彼は実人生のなかでぜったいに悪党にはなれないだろう。
だが舞台のうえでなら、
演技でなら「悪」を演じることが出来る。
そこで自分というカセの外へと飛び出すことができるのだ。

稽古を重ねるとともにだんだん凄みもでてきた。
ただトチると「あ、ごめんなさい」とすぐに素がでてしまう。
演出家としてはもう少しふてぶてしくかまえてほしいところだが、
それが彼の優しいオトコたるゆえんなのだろう。

本番ではおそらく存分に悪の魅力を発揮してくれるだろう。
期待している。

ただ稽古場ではあくまで優しく、な。
だって怖いじゃないか。



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× 役者列伝/なおさんの巻

2017-10-05 07:07

謎のオトコである。
突然、稽古場にやってきて、
「役者やりたんですが」「う、うん」
居着いてしまった。

なおさんがどこに住んでるのかしらないし、
どんな仕事をしてるのかもしらない。
まあ、わたし自身、そういうのはあまり気にしないからどっちでもいいのだが、
とにかく、なーんか「謎のオトコ」って気がしてならない、んだな。





「東京ジョー」は彼ありきで進めた企画だ。
なおさんの雰囲気のなかに東京ジョーを見つけたといっていいだろう。
そして彼はそれに見事に応えてくれている。
たぶん、なおさんはわたしの理想とする東京ジョーを演じてくれるだろう。

最初「謎のオトコ」なんて意味深なことを書いたが、
ほんとうのなおさんはダンスセンスが抜群なところがあって、
その面での仲間のリーダー役を務めてくれているし、
座長たるぐっちゃんのいい片腕となっている。

ほんと、いいやつなんだよなあ。
気さくだし、いい相談相手にもなってくれるし。
ただわたしとしては、
ふらりと劇団にやってきて、
主役をこなし、
観客の喝采をあびる、そんなオトコであって欲しい。

なーんか、そういうのっていいんだよな。
舞台ってのが夢まぼろしの幻想空間っていうのなら、
そこに「謎」があっていい。そう思う。

ただ、なおさん。
おまえは主役だ。
おまえがいなければこの芝居ははじまらなかったし、終わらない。

そこんトコ肝に命じて、
やろうぜよ、一緒に。




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