停車場日記

× こんなん書いてみた

2013-08-29 19:04

おとうさんが「おいおい」とゆりおこしたので、ぼくは目をさました。
ぼくはねむい目をこすりこすり「いま何時?」ときいた。
「夜明けまえだ。だがちょっとつきあえ」といって、
「ほら」とぼくに着がえをほうりなげた。
なんだ、ずいぶんらんぼうだな。


そとにでると、そとはまだまっくらで、まだ星がのこっていた。


10メートルくらいいったところで、おとうさんは「さむくないか」とぼくにきいた。
「うん。でもどこにいくの?」
おとうさんはへんじをしないで、ぼくの手をぎゅっとにぎった。
なんか、安心した。


100メートルくらいいったところで、マラソンのれんしゅうをしている若いおとこの人にあった。
「おはよ!」
おとこの人は投げるようにあいさつして、ぼくらのまえをさあっとかけ抜けていった。
おとうさんはあわてて、おとこの人のせなかに「おはようございます」とあいさつを返した。
おとうさんはなにかを考えていたみたいだ。
ぼくはおとうさんのかおを見上げた。
だが、おとうさんはふうと大きくいきをはいて「ゆくぞ」とぼくの手を引っぱっただけだった。


1000メートルくらいいったところで、空の色がすこしあかるくなってきた。
「おとうさん、もう朝だね」
「うん、よしいそぐぞ」
おとうさんははや足になった。
ぼくはちょっと走るかんじになったが、これくらいはへっちゃらだ。
それより、どうしておとうさんはそんなにいそぐのか、
どこにいこうとしているのか、そっちのほうが気になった。


2000メートルくらいいったところで海のにおいがしてきて、
もうすこしいったところで浜辺にでた。


おとうさんとぼくは手をつないだまんまで海をみていた。
「おとうさん、いきどまりだよ」
「いいんだ、ここでまつんだ」
「なにを?」
おとうさんはなにもいわずに、じっととおくの水平線をみつめていた。
ぼくもおなじようにとおくをみていた。


しばらくすると波がきらきらしはじめて、水平線からお日さまがのぼりはじめるのがみえた。
おとうさんがぼくの手をつよくにぎった。
すこしいたかったが、ぼくはがまんした。
きっとこれはだいじなことなんだ。
お日さまはだんだん大きくなって、海がまっ赤っかになった。
「きょうのこと、わすれるな」
「うん」
「いっしょにやっていくんだ」
「うん」
「だいじょうぶだからな」
「うん」
「おれたちはおとことおとこだ」
「うん」
ぼくのさいごの「うん」はなみだ声になってしまって、かすれてしまったので、
もういちど「うん」と大きな声でいった。


かえりはゆっくりとかえった。
空はすっかりあかるくなっていた。


うちにつくとしんせきの人たちはもうおきていて、
おとうさんに「どこにいってたの?」とおこるようにいった。
おとうさんは「すまなかった」といっておくに入っていった。
もうひとりのしんせきの人が、ぼくのせなかをおしながら「ほら、したくしたく」といった。


ぼくはいまからしたくをするんだ。
おかあさんのそうしきのしたくをするんだ。
 


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