停車場日記

× アメリカよ

2014-11-25 01:55

先日、(ホンット)久しぶりにCDショップに足を踏み入れた。
映画の上映時間まで少し間があったからだ。
別にこれというお目当てがあったワケではない。
ほんの気まぐれ。時間つぶしのつもりだった。
                     *
ふと、ニール・ヤングの名前が目にとまった。
抜き出してみるとこんなジャケ写だった。
タイトルは「アメリカーナ」。


41PhyfY-K6L[1]


かっけえ。
おまけにジャケにクレージー・ホースとクレジットされてるではないか。
ニールとクレージー・ホースが一緒にやるのは何年ぶりだろう。
さっそくレジに持って行こうとして、ひょいと裏表紙にひっくり返してみた。
そこには収録曲が書かれていて、
なんとそこには、
1.オー・スザンナ
2.愛しのクレメンタイン
3.トム・ドゥリー
   :
   :
と、オールドタイプのアメリカン・トラディショナルの
(いわゆる)名曲が並んで記されているではないか。
ガッカリしちゃった。
ニールよ、ボケちまったのかよ。
                      *
いや、別に過去曲のカヴァーが悪いというワケではない。
でも、あんたがそれやるか?
しかも古色蒼然たる曲を。
そんなのはどこかのグリー・クラブにまかせておけよ。
わたしはなんだか興ざめた気分のままに「とりあえず、まいっか」と、買ったワケ。
                      *
で、帰宅。
気乗りしないままに、CDをコンポに差し込んだ。
と、(松田優作風に)「なんじゃ、こりゃああ!」と叫んだ(ウソだけど)。
のっけからニールのあの独特の無骨なギターがガツンときた。
バックはクレージー・ホースのヘタなのかウマイのかよくわからない、
(でもオレには最高の)演奏とコーラス。
完全にロックしてるじゃん。
                      *
まず第一にメロディラインがフォスターの「オー・スザンナ」とはまったく違う。
あわててライナーノーツを見たら、
フォスター版の詞はそのままに後年別の人がメロディをつけ直したものだとか。
次の「愛しのクレメンタイン」も例の「雪山賛歌」のメロとはぜんぜん別物の、
すっげえかっこいい曲がついていた。
アレンジも最高。
うぉー、(松田優作ふたたび絶叫)「なんじゃこりゃあああああああ!」
                       *
他の曲もほとんどがメロディを変えており、
それをリアレンジして完全にニール・ヤングのものにしている。
                       *
でだ、タイトルの「アメリカーナ」だ。
これはアメリカ特有の「文化」とか「事柄」をいうときに使われる言葉だ。
だがニール・ヤングはもともとはカナダ人だ。
その彼がなぜいま「アメリカ」を語るのか。
なぜならニールもまたアメリカに魅せられたオトコだからだろう。
たぶん、そうだ。
わたしもそうだから、その気持ちはよくわかる。
                       *
たぶんニール・ヤングとわたしはそう年は違わんだろう。
幼年時代は西部劇に夢中になり、
少年期にはテレビのホーム・ドラマでアメリカに理想の家族を見た。
さらに長じるとアメリカ発の音楽にいかれた。
                       *
だが青年期に入り、ものごころついたころには、
アメリカは矛盾のかたまりのような存在であることに気づいた。
自由で、潤沢で、強くて、若々しい国であるはずのアメリカが、
じつは、差別の、暗殺の、陰謀の、軍国の、格差の……、
さまざまな暗黒を抱えた国であったのだ。
                    *
付記しておけば、
このアルバムは死の臭いに充ち満ちている(特に前半)。
事故死、刑死、労災死、
「ハイ・フライン・バード」にはこんな一節がある。

  奴は自由に飛びたかったんだ
  それには死ぬしかなかったんだ
                       *
もしかしたらニール・ヤングはこういっているのではなかろうか。
アメリカよ、と。
                       * 
アメリカよ、振り返れ。
あんたの国づくりの原点はこんなアメリカにしたいというのが望みだったのか。
独立宣言に唱った、
「全ての人間は平等に造られている」
あるいは「生命、自由、幸福の追求」の権利は
アメリカの理想であったはずだ。
世界でもっとも若い国、アメリカよ。
あんたにはその理想を実現する使命があるのだ。
                       *
アメリカよ。
ああ、かつて愛したアメリカ。
ブルージーンズのアメリカ。
コカ・コーラのアメリカ。
ジェームス・ディーンのアメリカ。
モンローのアメリカ。
ロックの、ジャズの、プレスリーのアメリカ。
                       *
ニューヨーク港のリバティ島にある自由の女神。
あれはなんのシンボルだ。
                       *
ニール・ヤングのアルバム。
「アメリカーナ」。
わたしはこれを「アメリカよ」と訳したい。(ウエ 




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