停車場日記

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× ギャンブラーとしての寺山さん

2015-05-27 05:48

以前にも書いたかもしれないが、
このブログ(といっていいかどうかしらんが)は別に公的なものではない。
読者を想定しても書いているわけでもないし、
だれかになにかを伝えようというものでもない。
ただまあ漫然と由無し事をつらつら書いてヒマをつぶしているようなものだ。
その意味ではきわめてプライベートなものだし、
いってみれば個人的なメモのようなものだ。
                          *
ところが前回、前々回と寺山さんのことを書いたら、
思いがけずメールをいただいたりして少々恐縮している。
といってもわずか2通だが、
一通には「寺山修司ってすごい人だったんですね」とあり、
また二通目には「興味を引かれました」とあった。
だったら寺山さんの本を読んでくれたまえ、と答えたいところだが、
それではあまりにも味気ないので別のエピソードを少し書いてみよう。
                           *
寺山さんはギャンブルが好きだった。
ことに競馬とカードゲームが好きだった。
                           *
渋谷の天井桟敷館から4、5軒おいて競馬の場外馬券売り場があった。
劇団員はそこによく使いにいかされた。
「これこれの馬券を買ってこい」というわけだ。
わたしも人後に落ちないギャンブル好きで、
そのころの生活費は麻雀で稼いでいた。
それを知ってか知らずか馬券買いを命じたのちに、
「おまえ、もしノみたいならノんでもいいぞ」とつけ加えるのだった。
                           *
「ノむ」というのは競馬用語で、
予想した馬券を買わずに自分で引き受けるという行為のことである。
うーむ、解りづらいか。
要するにこの場合でいうと、
寺山さんの指定した馬券を買わずに、
その金をわたしがポケットにしまうとしよう。
むろん、外れればその金はわたしのものになる。
ただし的中すればその配当をわたしが払うことになる。
                            *
1万円の馬券を買ってはずれればその1万円はわたしのもの。
ただし倍率10倍で当たればわたしは寺山さんに10万円払わなくてはならない。
とまあ、そういう仕組みだ。
                            *
わたしは「これは来そうだな」という馬券にはちゃんと注文通りに買いを入れた。
だが「来ないな」というときにはよくノましてもらった。
これはじつにスリリングであった。
少々の配当金だったらわたしにも払えるが、
大穴がきて何十万円という配当になったらとうてい払えない。
というか、荷物をまとめてさっさと夜逃げをしなくてはならない。
                             *
さいわいそうしたこともなく、
寺山さんにはそこそこ稼がせてもらったが、
寺山さんはこういうところでちゃんと人を瀬踏みしているようだった。
マジメに言いつけ通り馬券を買ってくる堅実型か、
アブないこともやる「ノみ」タイプか。
どっちがどうというワケではない。
要は人間を観察することが好きだったのだ。
そして観察に値するほど人間が好きだったのだ。
                              *
ギャンブルといえば旅先のホテルで寺山さんとタメでポーカーをしたことがある。


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わたしはそのころ内弁慶で、
麻雀はもちろんポーカーでは負け知らずだった。
もちろん寺山さんごときシロートには負ける気はしなかった。
最初のうちは一進一退だった。
最終局面でわたしに絶好の手がきた。
Aハイのストレートだった。
わたしはその場にある金をぜんぶ賭けた(オールイン)。
寺山さんはフラッシュだった。
わたしの負けだ。
                            *
わたしは全財産をスッてしまった。
寺山さんはニヤッと笑って、また手札を配りはじめた。
「オープンしてみ」といった。
わたしにはフラッシュが入っていた。
寺山さんが手札をさらすとそれはフルハウスだった。
唖然としているわたしに寺山さんはいった。
「ま、そういうことだ」
してやられた。
イカサマじゃねえか。
                             *
もちろん、かといってわたしの金を返してくれたワケじゃない。
呆然としているわたしを残し、
寺山さんは自分のルームに消えていった。
あくまでクールに。
「おまえはまだガキだ」といわんばかりに。
わたしは金を巻き上げられたという事実以上に、
「かっこいい!」と心底うなった。
                              *
寺山修司語録、
「賭けない男たち、というのは魅力のない男たちである。
彼らはつねに「選ぶ」ことを恐れる。
そして賭けないことを美徳と考えて、
他人並に生きることを幸福と考えている」
                              *
同感だ。
「賭ける」という人生の醍醐味を知らないやつになん魅力があるものか。(ウエ


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